マウスピース型矯正装置・開咬(オープンバイト)治療例
開咬(オープンバイト)は、前後左右にあごを動かしても前歯がぶつからない状態です。前歯で食べ物を噛めなかったり、会話時に舌が見えます。このような症状は、ケースにもよりますが、アンカースクリューは使わなくてはならないワイヤー型矯正装置より、マウスピース型矯正装置の方が早く確実に治す事ができます。開咬ケースの第一選択はマウスピース型矯正装置になります。なお、歯茎の中に埋まっている親知らずは抜歯していただく可能性があります。
治療例1
【治療シミュレーション解説】
奥歯をマウスピースの力を使って沈める事で、奥歯の高さを沈めていきます。これにより噛みこめるようになり開咬が治ります。
上の前歯も前に出ていましたので、上の奥歯の後方移動も行なっています。
※マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置は完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象とはならない可能性があります。
【初回アライナー途中】
これから上の前歯が中に入っていきます。
主訴:前歯で噛めない
年齢・性別:20代女性
症状:開咬
治療方針:上顎遠心移動・IPR
治療装置:マウスピース型矯正装置(アライナー)
抜歯:上両側埋伏親知らず(計2本)
治療期間:1年9か月
アライナー枚数:51+17+13ステージ(1週間交換)
リテーナー:上下クリアタイプ+フィックスタイプ
治療費用:990,000(税込)
代表的副作用:痛み・治療後の後戻り・歯根吸収・歯髄壊死・歯肉退縮
矯正歯科治療に伴うリスクや副作用について
① 治療開始直後は矯正装置による不快感、痛み等があります。1、2 週間以内で慣れることが多いです。
② 歯の動き方には個人差があります。予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 矯正装置の使用、管理、定期的な通院など、矯正治療には患者さんの協力が治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は、むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が発見されることもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
⑩ 治療中に状況が変わり、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
⑫ 矯正装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 矯正装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 治療終了後、リテーナーを指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
⑮ 治療終了後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
⑯ 10代のあごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずの影響で歯並びが変化することがあります。。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
⑱ 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。